知らない、ということを知る
この4月、P.P.P.にたくさんの新しい仲間が増えました。
新卒入職の方たちにもお会いしたことで、
私自身も、学生時代のことをふと思いだすことがあり、
せっかくなので、今回はその頃の思い出をお話しようかなと思います。
私は学生時代、福祉の勉強をしていたのですが、
専門に研究していたのは「差別」の問題でした。
その時のゼミでは、障がいのある方のことはもちろん、
被差別部落の話や冤罪の話…色々な差別について、
議論や研究を行っていました。
その時に身に染みて感じたのが、私自身、差別を実際に受けている方や
その差別や区別が行われている状況を全く「知らない」ということでした。
知らない、というのは実は恐ろしいもので、
無関心に、その状況を放置することにもつながりますし、
もっと言うと、知らないからこその決めつけや固定観念も生まれてしまう。
最初のうちは差別とは何かを知りたい、考えたいという気持ちから学び始めたのですが、
自分はこんなにも「知らないことが多いんだ」ということに気づいたときに、
色々なことに「問題意識」が生まれるようになりました。
私たち福祉の現場で働く方の中には
「障がいのある方のことを理解しよう」と
懸命に考えていらっしゃる方も多いでしょう。
でも、ほんの少し視点を変えてみて、
その方が抱えている生きにくさや、その方が置かれている環境・状況について
話を聞いたり、実際にその目で見たりすることも、大切だと私は考えます。
そうすることで、驚くほどに「知らなかった」「気づかなかった」ことが見えてきて、
利用者の方や社会が抱える課題に対して、自然と問題意識も生まれてくるはずです。
それこそが、当事者参加の第一歩に、つながっていくのだと私は思っています。
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