「桜の下で願う、幸せな人生」——2025年度 入社式・辞令交付式によせて

春の風がP.P.P.の本部をやさしく包み、建物の外一面に咲く桜が今年も満開の姿を見せてくれました。この桜たちは、法人の立ち上げ時に、ご家族の皆さんが植えてくださったものです。

その根には「この子が最後まで、幸せな人生を歩んでいけるように」ーーーそんな深く温かな願いが込められています。

P.P.P.は、利用者さまとそのご家族とが、ともに歩んできた法人です。施設の設立当初から、お子さんの将来を真剣に見つめ、「ここから安心して、自分の人生を謳歌できるように」と、我が子を思う気持ちで立ち上げられました。

ご家族の多くは、今、歳を重ね、すでに旅立たれた方もいらっしゃいます。けれど、こうして咲き誇る桜は、今もその願いを語り続けてくれています。

P.P.P.に集うすべての人にとって、「人生の最後まで幸せであるように」と。

その思いを、私たちはこれからも決して忘れてはいけません。


この春、新たにPPPの仲間となってくださった皆さんへ。

たくさんの福祉の職場がある中で、私たちを選んでくださったことに、心から感謝します。今、世の中は不安定な風が吹いています。アメリカの政権交代、景気の悪化、そして日本でも福祉の人手不足が深刻化する中、未来に不安を感じる方も多いことでしょう。

そんな時、人の心は無意識のうちに “壁” を作ります。自分を守るために、他の人との距離を取り、思いやりが薄れてしまうこともあります。

でも、私たちの仕事は「人と人をつなぐ」こと。

どんなに時代が不安でも、「笑顔」と「やさしさ」は、何よりも強い力を持っています。

新人さんが失敗するのは、当たり前です。私たちベテランも、みんな通ってきた道です。
だからこそ、そのときに、そっと微笑んで、「大丈夫、誰だって通る道だよ」と言ってあげられる職場でありたい。

勇気をもって、ひとつ笑顔を。少しだけやさしく声をかける勇気を。

それがきっと、この法人の空気を、これからもあたたかく育んでくれるはずです。
満開の桜の下で、皆さんと共に迎えるこの春に、心からの歓迎と感謝をこめて。