変えることは、壊すこと。

今、チャレンジャーでは、

「今やっていることで、やめてもいいことリスト」を作ろうという

面白い取り組みをはじめたと伺っています。


事業を前に進めていく上で、とても大事なことは

時代のニーズや状況にあわせて、変化することだと、私は考えています。

このチャレンジャーの取り組みを聞いて、

「これから、どんなことを変えて、どんな新たな取り組みを始めるんだろう」

と内心とてもワクワクしています。


ちなみに、今チャレンジャーが取り組んでいるような、

「何かを変えていく」プロジェクトを、実は設立の当初から

どんどんと進めていた歴史があるんです。私自身も、そうしてきました。


例えば、1980年代「これからは地域移行を…」といった政府からのコメントが出たときに

まだ制度としてグループホームが認められていなかったにも関わらず、

「これからはグループホームが求められるはず」と

まだ福祉施策として制度が確立していない段階から、

ホームの建設を進めていったりもしました。


その時、施設入所を利用されていた方には、

入所するときから「ここは一時的な住まいです。

皆さんは地域で一人暮らしや自由な生活を謳歌するために、

一刻も早くここから出られるよう、しっかり仕事を覚えましょう」と

グループホームへの移行を前提に、どんどん就職活動にチャレンジしてもらっていました。

で、どこに就職できるか…ではなく、手当たり次第に

「この会社にもお願いしよう」と、利用者さんのスキルや能力を売り込みにいって、

とりあえずまずは雇ってみましょうよ!と、飛び込み営業のごとく、

企業訪問をしてきましたね。


一方、新しいことをやるためには、

今までの慣習ややってきたことを見直さなければならず、

「この作業は時代に即さないと思うのですが、今やっているのはなぜですか?」

「この作業の必要性は何ですか?」と、色々と話を聞いて、

必要ないとみんなで判断したら、

「やめましょう!」と当時の理事長に対して、はっきり言ってきた経緯があります。

そうやって、どんどんと新しいことを進めていくうちに、

ついたあだ名が「壊し屋」でしたね(笑)。


時には、「せっかく定着して形になってきたのに…」という声もありました。

でも、利用者さんやご家族、社会のニーズは刻々と変化していきます。

私たちがそれまで積み上げてきたことであっても、

それが、顧客や時代が求めていないものになってしまったら、

壊していくべきことだって、あるはずなんです。


ただ、正直たくさんの人が「当然」のように

その作業をしていたときに「その作業って必要なんですか?」と

聞くのは、結構勇気がいることかもしれませんね。


その点で、今チャレンジャーで取り組んでいることは、

「みんな、思ったことを口にしていいんだ」という

ひとつのきっかけになる、とてもいい施策だと思うんです。


こうした取り組みが、色んな事業所に波及して、

広がっていけば、法人はもっと良くなるのではないか。

そう、期待してやみません。