農福連携の取り組み -おおもり農園様を視察しました-
布寄の事業所が立ち上がり、あと1カ月強で1年が経とうとしています。
そんな中、現在、法人では大きな取り組みとして、オールスターズ!布寄の利用者の方と
高梁市や布寄地域の皆さまとが連携しながら、
地域の主要産業である農業を活性化させようという取り組みを行っています。
こうした中現在、全国で実践されている農福連携の事例を調べており、
先日、岡山市内で農福連携に取り組まれている
「おおもり農園」様をご訪問させていただきました。
平成14年にご夫婦2名で始められたといういちご農園です。
現在はいちごの他、水耕栽培による葉物野菜を生産されています。
おふたりで農作業を行ってこられましたが、人手が足りず困っていたところ、
とあるNPO法人から施設外就労という形で声をかけられ、
障がいのある方を受け入れたことから、農福連携の取り組みが始まったそうです。
最初はいちごの生産しかしていなかったそうですが、
障がいのある人にはいちご栽培は難しいだろうと、葉物野菜の水耕栽培をスタート。
そこから、皆さんの働きぶりを見て、色々お任せできるのではないかと、
いちごの出荷や収穫なども依頼をするように。
現在では、おおもり農園様のオーナーである大森様を中心に、
新たに就労継続支援A型事業所を立ち上げ、21名の利用者さんがお仕事をされています。
このおおもり農園様を視察させていただいたところ、
至る所に、障がいのある方が活躍できる工夫や取り組みが行われています。
例えば、イチゴのサイズの選定。
S、M、Lなどサイズをそろえてパックに詰めていくのですが、
そのサイズに関して、そのイチゴを手に取ると
音声でサイズを教えてくれる仕組みを創られていたり、
並べ方をわかりやすく写真で伝えたりするなど、
福祉の専門家と連携しながら、
その方の特性にあわせて、どうすればその作業ができるか、
どうすれば生産性が高まるかなどの工夫がなされています。
こうした工夫の結果、水耕栽培に関しては、
植え付けから収穫まですべて障がいのある方たちだけで行えるようになったとのことです。
そして、利用者の方の平均工賃に関して月額9万円以上(岡山県の平均は月約7万8500円)
としっかりと稼ぎつつ、なおかつ、おおもり農園様自身も人手が増えたことで、
生産量の安定や手間暇をかけることによる付加価値の向上など、
農業事業としても収益をのばされている素晴らしい事例でした。
まさに、農業に関する知識・経験を持つ農家の方と、
障がいのある方や福祉の専門家の方とで知恵を出し合うことで、
お互いがWin-Winになります。
もちろん、障がいのある方と接する機会がなく、
どう接していけばいいのか、どうお仕事をお願いすればいいのかという方も
いらっしゃるかと思います。
ですが、こうした成功事例もたくさんございます。
新型コロナウイルスの問題が終息したら、まずはぜひ、
おおもり農園様へ足を運んでみてください。
後継者がいないことや、人手不足に悩む農家の皆様にも
農福連携の取り組みで、その悩みを解決できることをぜひ知っていただき、
日本の農業がより元気に、豊かになればいいなと考えています。
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