体に悪いことをするのも、権利。
毎日運動したり、食事や飲酒・喫煙の制限をしたり…
日々の健康管理は、とても大切なことだと思います。
とはいえ、私たちは人間です。
ときには「ジャンクフードが食べたい」と思うときもありますし、
「昨日は飲みすぎた…」なんて日だってありますよね?
それで「カロリー取った分、今日は少し歩こう」とか
「明日は休肝日」など、上手に帳尻を合わせていくことだってあるのでは?
悪いことだとは思いながら、ついついやってしまう…
これは人間だれしも、普通にあることです。
でも、これが「支援」となるとどうでしょう。
支援員としては、利用者の方に健康的な生活を送ってほしいと思うのは当たり前です。
それで「たばこは1日何本まで」とか
「アイスクリームは週1回だけ」とか
ルールを決めていく…それもしょうがないかもしれません。
私も入職したての頃は、どうやって利用者さんの
「たばこの量」をセーブするために、ルールを決めたり、
あれやこれや試したものです。
ただ、そのルールって、本来は、誰が決めるべきなんでしょう?
そして、そのルールを絶対に守らなきゃいけないという縛りは
誰が決めたんでしょう?
これは成年後見人の養成講座でも、よくお話することなのですが、
悪いことをするのも、実は「権利」なのです。
もちろん、健康のため…ということで助言することは大切なこと。
でも、それを実行するかどうかを決めるのは「本人」なんです。
以前の記事「仕事をする…という意味」でもお伝えしたのですが、
要は本人が「そうしたい」かどうかなんです。
健康に長く生きたい…そう本人が考えるなら、
本人がルールを守らなきゃ、と自然に思えるはずです。
また、別の観点から考えたときに、
例えば、どうしてもアイスが食べたくてしかたないときに
アイスを食べてしまった後の挽回方法を一緒に考えるのだって
大切な支援の一種かもしれません。
たばこやおやつ、お酒などの
ルールを守ってもらうことが「目的」ではありません。
もちろん、本当に命の危機にさらされているなら、話は別です。
でも、我々が「ついやってしまう…」くらいのレベルのことなら、
ちょっとくらい「体に良くないこと」を選択することだって、
利用者さんご本人の立派な「権利」。
その上で、ご本人の「健康に暮らしたい」というニーズを
どうサポートするか、それが本来の支援の目的だと、私は思います。
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