【職員対談】第一回 荒木勝子さん(世話人)
現在、約400名の職員がP.P.P.を支えてくださっています。
その中で、特に現場の最前線でご活躍されている方々の思いに、改めて耳を傾けたい──。
そんな想いから、この対談企画がスタートしました。
記念すべき第1回は、グループホーム「柊」で活躍されている世話人・荒木勝子さんです。
「介護が日常だった日々から、支える側としての新たな一歩へ」
西江:まずは、法人に入職されたきっかけを教えていただけますか?
荒木:きっかけは、主人が亡くなったことでした。42歳で事故により四肢麻痺となり、
それからずっと私が介護をしていました。8年前に主人が亡くなり、
ちょうどその頃に義父や自分の両親も相次いで他界して……
生活に張り合いがなくなっていたときに、たまたま見かけたP.P.P.の求人広告に
「やってみよう」と思ったのが始まりでした。
「働く日々に宿る、喜びとやりがい」
西江:実際に働き始めて、やりがいや気持ちの変化はありましたか?
荒木:毎日、利用者さまとお会いするのが楽しみで仕方がないんです。
出勤は朝6時半なのですが、ある方が6時前から「荒木さんまだかな」と
待ってくださっていると聞いたときは、本当に嬉しくて……。
そんなふうに思ってもらえるなんて、ありがたいことですよね。
利用者さまの存在が、私の生活に大きな張り合いを与えてくれています。
「自分の子どもだったら」と想像する支援
西江:信頼関係を築くうえで、特に大切にしていることはありますか?
荒木:私は専門知識があるわけではないので、
常に「自分の子どもだったらどうするかな?」と考えながら関わっています。
甘えさせた方がいい時もあれば、自分でやろうとするまで待つ方がいい時もあります。
朝は本当に慌ただしいんです。朝食づくり、見送り、掃除、洗濯……。
働き始めた頃は外出を嫌がる方も多く大変でした。
でも「急かされたら嫌だろうな」と思って、
どうすれば気持ちよく一日を始められるかを一緒に考えるようにしました。
たとえば、朝食も摂らずにじっと動かない方がいたのですが、
私は「おいしい朝ごはんを作って、ただ待とう」と決めました。
するとその方が、自分から支度をして車に乗り込んでくれたんです。
今では皆さん、決まった時間に気持ちよく出発されています。
西江:「自分から動きたい」という気持ちを引き出す支援、
まさに現場で大切にしていたことです。
荒木:そうですよね。利用者さまも、誰だって急かされたら嫌ですよね。
「ここで働けることが楽しい、だから続けたい」
西江:このお仕事で「大変だ」と感じることはありますか?
また、法人に望むことは?
荒木:正直、しんどいと思うことはあまりないです(笑)。
働くことが楽しいし、充実しています。
強いて言えば
「体が動く限り働かせてください!」っていうのが要望でしょうか(笑)。
西江:ありがとうございます(笑)。
ちなみに設備や備品など、改善してほしいことがあれば教えてください。
荒木:あ、掃除ロボットがあったら便利かもしれませんね(笑)。
今は特に不便は感じていないんですが、この時期は風邪も心配なので、
自宅で使わなくなった加湿器をホームに持ってきています。
共有スペースに加湿器があると、みんなにとって良いかもしれませんね。
西江:それはとても参考になります。ありがとうございます。
こうした現場の声は、何よりも貴重です。
加湿器ひとつ、掃除道具ひとつで、利用者さまの生活の快適さが変わる──。
そんな“気づき”を大切にして、今後の環境づくりに活かしていきたいと思います。
荒木:こちらこそ、お話を聞いてくださって、ありがとうございました!
<対談を終えて>
荒木さんのお話からは、「生活をともにする」ということの深い意味が伝わってきました。
「専門知識はない」とおっしゃっていましたが、むしろ“人としての感性”こそが、
支援の根幹を支えているのだと強く感じました。
世話人という仕事は、
利用者さまの人生の大部分を占める「暮らし」に関わる、大切な役割です。
後日、荒木さんが本部に立ち寄られた際、
グループホーム「柊」から別の拠点へ引っ越された利用者さまに会いに行かれていました。
その方が食欲を落としていると聞き、
好物のオムライスを毎月届けてくださっているそうです。
業務を超えて「つながり」を大切にしてくださる姿勢に、心から感謝しています。
今後も、こうした現場の声や思いを丁寧に届けていけたらと思います。
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