「緑の風」が吹き始めた日──ヴァンベール落成のご報告

先日「風の通り道プロジェクト・ヴァンベール」が
無事に落成の日を迎えることができました。

式当日は、ご多忙の中にもかかわらず多くの皆さまにご臨席いただき、
本当にありがとうございました。この場をお借りして、改めて心より御礼申し上げます。


ご支援への感謝

「ヴァンベール」の完成は、私たちだけの力では決して成しえなかったものです。

日頃より私たちの活動を支えてくださっている高梁市をはじめ、
多くの関係機関の皆さま、設計・工事に尽力してくださった皆様、職員、地域の皆様等々、
多くの方々のお力添えがあって、ようやくこの日を迎えることができました。

また、工事期間中は近隣の皆さまにご不便をおかけしたこともあったかと存じます。
この場を借りて、改めて深くお詫び申し上げます。


新たな風を吹かせたい

P.P.P.が高梁市で事業所を構えてから、今年で7年目になります。

今回、宇治地域にあった「旧農村公園」を、
宿泊体験施設「ヴァンベール(=緑の風)」として再生することができました。

このプロジェクトには、
「人の流れとにぎわいをもう一度取り戻したい」という願いが込められています。

高梁の観光拠点といえば吹屋が有名ですが、
宇治や中地域にも“緑の風”が吹き抜けるように──その想いをかたちにするべく、
「ローカル1000プロジェクト」のモデル事業を活用し、整備を進めてまいりました。


ヴァンベールが目指すもの

ヴァンベールには、宿泊施設・カフェ・サウナ・キャンプという4つの設備があります。

自然に囲まれた静かな空間で、満天の星とともに、ゆったりと過ごしていただける場所です。
また、私たちがとりわけ大切にしているのは、障がいのある仲間たちと一緒に
一つ一つ手づくりした食材を、皆さまに楽しんでいただくこと。

そのぬくもりや丁寧な手仕事に触れていただくことが、
きっと心のどこかを温かくしてくれると信じています。

地域の皆さまはもちろん、ご家族やご友人をお誘いのうえ、
ぜひ気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。


“帰りたくなる場所”にしたい

私にとって高梁市は、育ってきた故郷です。

年々人口が減り、かつてあった店や場所、
人のつながりが少しずつ消えていくことに、寂しさを覚える瞬間もあります。

けれど、かつて村にあった賑わい、人と人との助け合い、あたたかなつながり──
それらは今でも、確かにこの土地に息づいていると感じます。

今回の整備を通じて、地域の皆さんの協力をいただきながら、
「まだ、できることがたくさんある」と強く思いました。

ヴァンベールを通じて、この場所が再び“帰りたくなる場所”に。

あるいは、外から来た方が「ここで暮らしてみたい」と思えるような、
そんな場所になっていってほしいと願っています。

つながりを大切にする未来へ

私たちが実現したいのは、決して“豊かな物質的暮らし”ではありません。
人と人とのつながりがあってこそ生まれる、心豊かな暮らしです。

この場所に集うすべての人が、ひとりの当事者として関わり、
支え合えるような社会を、ここから少しずつ築いていけたらと願っています。
スタッフ一同、これからも気持ちを新たに、地域とともに歩んでまいります。

今後とも、変わらぬご指導とご支援を賜れますよう、よろしくお願い申し上げます。