失敗は新人の特権。

先週、3月に学校を卒業した新卒の皆さんの新人研修があり、

そこでP.P.P.が歩んできた歴史や理念などをお伝えさせていただきました。

そして、研修の最終日には、新人の皆さんが将来どんなことをしたいか、

どんな自分になりたいかを、発表されました。


その中で、研修中に居眠りをしてしまったことに反省し、

「まずは社会人としての自覚を持つ」という宣言をされた方がいました。

その発表を見ていて、自分の昔の姿に重なるものがあるなと思い、

私自身の若い頃の話を、少ししようと思います。


結論からいうと…私もまあ、新人の頃はしょっちゅう怒られていましたね。

その頃は、ワークライフバランス…という考え方もなかった時代。

夜遅くまで利用者さんたちと一緒に過ごし、宿直のない日は

近くに借りていたアパートには、寝に帰るだけ。

気が付いたらドアをたたく音で目が覚める。

当時、利用者さんたちは毎朝マラソンをしていて、

そのコース沿いに我が家があったんですね。

途中、勤務時間になっても来ない私の部屋に寄り

彼らがノックをして起こしてくれていたんです。

その後、慌てて出勤し、先輩から「この寝坊助が!」とよく怒られたものです。


そんな若い頃の自分のことを思い出しながら、

新卒職員のみなさんの話を聞いていて、ぜひ伝えたいと思ったことがあります。

それは「失敗は新人の『特権』である」ということ。


もちろん、気の緩みは、自分で引き締めていかなければならないですし、

そこはぜひ、向き合っていただきたいのですが、

それ以外にも皆さんはこれから、たくさんの失敗をするはずです。

こうした失敗から「学んで成長できる」幅が大きいのが、

新人である「今」なのです。

「怒られたらどうしよう」「みんなからどう見られるだろう」

きっと不安なこともあるはずです。ですが、今失敗しておくことで、

得られるものはたくさんあるはず。だから、新人である今こそ

たくさんのことにチャレンジして、たくさん失敗してください。

それが、絶対にあなたの糧になるはずです。


寝坊して利用者さんに起こしてもらっていた経験…

まあ、自慢できることではありませんが、

この経験からも「利用者さんと我々は、決して上下関係にあるわけではない」

という大事な考えに至る、一つのヒントをもらったように思います。

(もちろん、それ以外にもたくさんの出来事があってのことなのですが)


そして、もう一つ。

皆さんが発表してくれた

「やりたいと思ったこと」「P.P.P.で目指したいこと」を

心のどこかに、必ず持っていてください。

いくら失敗してもいい。でも、実現したいことに対して

妥協したり、まあいいかと諦めたりはしないでほしい。


これが、皆さんの発表を聞いて感じ、伝えたかったことです。

4月に新しいスタートを切った皆さんが、

当事者として、将来のP.P.P.を引っ張っていく存在になることを

心から願っています。

ICHIGO ICHIE

一期一会 ~社会福祉法人P.P.P. 理事長のブログ~