「定年」と、その先の活躍について
今月、私が63歳になるという話から、前回のブログでは、私自身のことを通して、
「自分がどう人生を生きたいか、抱え込まずに話していく」という
お話をさせていただきました。今度は63歳を迎えるにあたって考えたことを
少し違った視点からお話をさせていただけたらと思います。
私自身今月で63歳になりますが、
世に言われる定年の年齢、65歳まであと2年という年でもあります。
一昔前とは環境も変わり、法人ができた1980年に比べこの40年で平均寿命は8歳も伸びた中、
65歳を迎えても、まだまだ元気にご活躍できる方もたくさんいらっしゃいます。
そう考えると、現在日本の制度として「65歳定年」が当たり前になっていますが、
65歳になったからといって、ひとくくりにしていいのだろうかと、時々思うのです。
そこで、今回のブログでは私のことを通じて、
「皆さんに考えるきっかけ」を提示できたらと思ってお話をします。
結論からいうと、何かこうしなさい・こう考えなさいという話ではなく
当たり前のことと「決めつけずに」色々な価値観を受け入れてみましょうということ、
そして、このことを知って、ご自身のこととして『考えて』ほしいということです。
前回のブログで、自分がどう生きたいのかを考えるようになった話を
させていただいたかと思うのですが、65歳になったときに、自分のやりたいことの中に
「たくさんの方向性」があることに気づきました。
「仕事を引退し、好きな釣りやトレッキングなどをしながら悠々自適に過ごしたい」
「今の仕事を続けられる限り続け。法人の理念の実現に自分もまだまだ関わり続けたい」
「うどん屋など今までと全く違う仕事をしながら、雇用関係に縛られない働き方をしたい」
どれも自分の中にある気持ちだなあと、思っています。
自分の中だけでも、これだけ方向性の違う価値観があるのだから、
きっとまだまだ色々な価値観を持った方がいるのだろうなと思います。
「40年も働いているんだから、もう働かんでもよかろう」
「65歳なんてまだまだ若いんだから、仕事せにゃいかん」
65歳になったときに、どんな選択をするのかは
ひとえにその人の「価値感」なので、その方の自由だと思います。
ですが、65歳という年齢で、選択肢が大きく制限されることがあります。
それは正社員として、これまでと変わらずバリバリと働くという選択肢です。
今の世の中は65歳で定年を迎えるのが通例ですし、
65歳を過ぎて正社員として働くという取り組みの前例があまりありません。
有期雇用で働くことがいいとか悪いとか、そんな話ではありません。
ただただ、選択肢として「ない」のです。
ちなみに、65歳で定年…というのは国や自治体の制度の話ではありません。
制度としては65歳まで延長することを推奨していく方針であって
定年制を導入することを制度で決めているわけではありません。
ですので、企業の中には70歳以上まで定年の年齢を引き上げたり、
定年制をなくしたりした会社もあります。
(単純な話ではないので、なかなか検討に時間を要していますが
P.P.P.でもこの問題については数年前から、議論されています)
ただ、正社員として65歳を超えても働ける機会は、圧倒的に少ないのです。
40年前に比べて65歳を迎えた後の人生が、単純に「倍」になっているのですから、
まだまだ正社員として働きたいと思う人も、増えてきていると思っています。
でも、別に制度で縛っているわけでもないのに、
65歳が一つの区切りになるという固定観念が社会に暮らす我々の中にあるから、
結果、正社員として働きたいと思っても、働き口が見つからない方も出てきてしまう。
このことから、自分が「そうしたい」と思える選択ができるようになるためには、
まず年齢を重ねたのだから「こうでなくては」「こうすべきだ」という
固定観念を取り払うことが、大事なのだなと、改めて実感します。
今は全然先のこと…そう思われる若い方もいらっしゃるでしょう。
ですが、あなた自身も必ず歳を重ねます。
まだまだ働けるのに…65歳になった時、あなたは「そう思うかもしれない」。
だからこそ、まずは今の状況を「当たり前だ」と決めつけないで
色んな当事者の声に耳を傾けてほしいのです。
そうすると、65歳以上かそうでないか、たったそれだけの差で、
その人の選択肢が一つ、奪われているかもしれないことに気づくことができます。
そして、このことを
「自分にも起こることとして、当事者として情報を知り、考える」ことこそが大事。
P.P.P.の理念にある「自由を奪う区別や制約」というのは、
障がいのある人のことだけではありません。
社会におこる様々な問題に対して、自分事として考えること、
それが固定観念を外していき、「自由を奪う区別や制約」を取り除く、第一歩なので
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