孫の誕生日と「選びとり」 〜選ぶということ〜

コロナウイルスというのは本当に厄介なもので、

不要不急の外出を避けるために

孫が我が家に遊びにくる回数も減らしましょうということにしたのですが

かわいい孫たちに会えないのは、とてもさみしいものです。


とはいえ、近くに住んでいる子に関しては、

何か行事があるとき我が家に遊びにきてくれます。

この前も、1歳のお誕生日を迎えた記念に「選びとり」を我が家でおこないました。

今回のブログではその時の様子をお伝えしながら、

「支援について感じたこと」をぜひお伝えできたらと思っています。


ちなみに、みなさん「選びとり」という行事をご存知ですか?

1歳になった子どもの前に

例えば、計算機を選んだ子は商売上手になる、

お箸を選んだ子は料理上手で、食うに困らない子になるなど、

意味を持たせた品物を並べて、どれを取るかでその子の将来の職業や才能を占うというもの。


我が孫の前にも色々なものが並べられたのですが、

真っ先に選んだものは「筆」でした。

選びとりで筆を選んだ子は、芸術分野や文才などに優れていたり、

研究職に向いていると言われています。


それが本当に当たるのかはさておき、

孫の将来に思いを馳せたり、一目散に筆を選んだ様子に「おお!」と思ったり、

なかなか楽しい時間を過ごしました。


まだ一歳で、おしゃべりも上手でないため、

どうして筆を選んだのか、本人の口から聞く術もなく、私も良くわかりません。


ただ、初めて見るものもたくさんあった中で

「筆」を手に取ったのには、この子の中で何か意味があって、

この子なりの意思の現れなのだと思っているんです。

その時に、これは私たちの支援にも通じるものがあるなと、ふと感じました。


比較的重度の障がいがある方の場合、

言葉でのコミュニケーションが難しいケースも往々にしてあります。

時に私たちが驚くような行動を取られることもよくあります。

しかしながら、老若男女問わず、人が何か行動をする際には

よほどの反射的な行動・生理現象的な行動でない限りは、そこに必ず「意思」が存在します。


私たちは支援していく中で、

この「意思」を知らないうちに無視してしまっていることが

意外に多くあると思うのです。


例えば他害行動があったとしても、その他害行動をするに至った理由があり、

それを本人が何かの「意思表示」をしていると捉えると、

解決策が見れることもあると思うのです。


だからこそ、毎日の行動ひとつひとつを「観察」しながら、

本人の意思はどこにあるのだろうかを、常に考えていくことが大事なのだと、

改めて感じた出来事でした。

ICHIGO ICHIE

一期一会 ~社会福祉法人P.P.P. 理事長のブログ~