卒業と「つながり」

今年度も残すところあと1ヶ月。

この季節は、新しい出会いと共に、

ご卒園や事業所の変更、異動など、

事業所を離れる利用者様や職員がいるなど、別れも多くなります。


確かに、別れはとても寂しいものでもありますが、

たとえサービスのご利用が終了しても、別の事業所に行くことになっても

それが「関わりを断つ」ことにつながるわけではありません。

だからこそ、ぜひ卒園・異動などをされる方とのつながりを持ち続けて、

大切にしてほしいと考えています。


とはいえ、何か特別なことをしてくださいというわけではありません。

いつでも連絡が取り合えるよう、連絡先を交換する。

そして、時々ご連絡をする。その時間をぜひ、とってみてほしいのです。


きっと皆さんにも経験があると思うのですが、

ふとしたときに「◯◯さん、何しているかな?元気かな?」と

思い返すこともありますよね?


そのときに「お元気ですか? 近況はいかがですか?」と

気になったことをお声がけすれば、つながりが続きます。


もちろん、お声かけしても返事がこないだってあります。

ですが、それでも自分からそうやってお声をかけていけば、

つながりが途絶えることはありません。


そのためにも、一週間に1度、数分程度でいいので

卒園・異動された方のことを「思い返す」時間をとってほしいのです。

そして、担当だった利用者様や一緒に働いていた同僚・お世話になった人のことが

気にかかったなら、ぜひ、一言でいいので連絡をしてみてください。




そして、春祭りや地蔵盆などにご招待のご案内をするのも

つながりを続ける上で大事なことだと思います。

今はコロナの影響で開催できる・できないはあるのですが、

もし、このコロナの状況が落ち着いた際には、

ぜひお声がけしてほしいと思っています。


事業所での活動は、同じ場所で過ごす友達とのつながりや

同じ悩みを持つご家族同士のつながりなどを生むこともできます。

そのつながりを、卒業してからも継続し、

お互いに相談したり、励ましあったりできる場にできたらとも思うのです。

法人の行事にご参加いただくことで、利用者様・ご家族同士のつながりが

深まるのではないかなと私は考えています。


もちろん、イベントやセミナーなどの企画で、

直接お会いできる場をつくることができれば、素晴らしいことだと思います。

とはいえ、限られた人数で、大勢の利用者様を支援しているみなさんにとって

その時間をとることが難しいのではないかなと思っています。

だからこそ、まずは、行事への参加のお声がけからはじめてみてはどうでしょうか。



最後に、法人として、10年ほど前に「中長期経営計画」を策定したのですが

その時のテーマが「最後まで関わり続ける」というものでした。

この10年で児童・高齢と人生を伴走できる福祉サービスの提供を実現し、

長くサービスをご利用いただける環境を整えてきました。

しかし、そのつながりは「サービスを提供する」ことだけではないと思うのです。


卒園してからも、もし困ったことがあったら、

相談できる・戻れる・共感しあえる場所がある。

それこそが「最後まで関わり続ける」ことにつながるのではないでしょうか?

ICHIGO ICHIE

一期一会 ~社会福祉法人P.P.P. 理事長のブログ~