「成年後見人」の大切さ
先日の家族会総会と同日に、
私が理事を務めるNPO法人「こうけんひまわり」が主催となって、
平成30年度の第1回 成年後見人養成講座を開催しました。
初回は、私が講師を担当。
この制度の意義や、こうけんひまわりを立ち上げた経緯をご紹介しました。
みなさんは、成年後見人という制度をご存知ですか?
これは、例えば、判断能力が不十分とされる方たちに代わって、
何かを「契約する(商品を買う・サービスを利用する)」ときや
「財産を処分・提供する」といった際に、
本人の「代弁者」として、その方の意思を尊重しながら
その方の財産やサービス利用等の契約の代理を行っていく制度です。
この成年後見制度に関して、「親なき後も、わが子が生きていけるように…」
というご家族の想いをカタチにするために、ご家族と一緒に立ち上げたのが
NPO法人「こうけんひまわり」です。
この成年後見人。個人の方、
もっというと、ご家族の方でも、申請をすればなることができます。
でも、それをNPOとして「法人化」したのには、大きな理由があるんです。
例えば、みなさん、自分が後見人になったとして…
80歳を迎えたことを、想像してみてください。
とても元気であればよいのですが、
あなた自身がアルツハイマーなどの認知症を患った場合、
後見人として、立ち続けることは難しいかと思います。
そう、これはとても深刻なことで、
家族が後見人に立ち続けられるかどうかでいうと
「確実なもの」ではないんです。
とはいえ、後見人に立つことができる人は、他にもいます。
弁護士や司法書士・税理士などの専門家です。
ただ、彼らの顧問料の平均は2万円。
個人で負担するには、大きな金額になり得ます。
これは実は直接「後見人」として、
その方一人と契約しているからに他なりません。
そこで、ご家族の方と一緒に考えました。
ご家族の方が元気な間は、ご自身が後見人として立ち、
もし、ご自身が後見活動ができない状態になったら、
家族同士が支え合って、後見人として立っていける仕組みを。
更には、専門的な知識が必要な業務に関しては
顧問として弁護士・税理士などの専門家の知恵を借りることもでき、
利用者さん自身の負担額も軽減できる仕組みを。
そうすることで、親なき後も、わが子が安心して生きていけるように…
それが、この「こうけんひまわり」が出来上がった原点なのです。
そのためには、利用者さんの意思を「尊重」し、
正しく「代弁」できる後見人が、もっとたくさん必要です。
成年後見人養成講座を開催しているのも、
こうした背景があるからなんです。
ご家族のみなさん、職員のみなさん。
ぜひ、成年後見人としての知識を身につけながら、
利用者さんが安心して生活できる環境を作っていきましょう!
【ちなみに】
実はこの成年後見人制度…ご家族の介護を行う方や、
更にはご自身が認知症などで判断能力が不十分になったとき…
誰しもが関わる可能性のあることです。
この機会に、ご自身のためにも、ぜひ受講してみてはいかがですか?
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