事業計画のおはなし
年度末に入り、P.P.P.では、各事業所で事業計画を立てる時期になりました。管理者の皆さんを中心に、部門統括の皆さんと連携しながら今一生懸命考えてくださっていると思います。
私自身も、若い頃は事業所の事業計画のことで色々悩んだこともありましたが「あること」を大事にしたことで、視点が変わった過去があります。それをぜひみなさんにお伝えできたらと思います。
事業計画は「ワクワク」しながらつくるもの
事業計画を考える…というと、事業所の収支やご利用者様の人数など「数字」に目が行きがちになるのは、私も過去経験したことです。 それだけに目を向けると、どうしても頭を抱えてしまって、気が重くなってしまうんですよね。
もちろん、事業を安定的に継続するためには、こうした数値はとても重要なのですが、これらの数字管理をなぜやるのか…それは「長くご利用者さまと、法人と関わり続ける」ため。
まずは「利用者さまにどうあってほしいか」をど真ん中に据えないと、この数字の管理も意味をなさなくなってしまうということに気づいてから、感覚が大きく変わったんです。
今事業所を利用されている方や、そのご家族がどうあったら嬉しいと感じるのか。数字を見るのではなく、ご利用者さまのことを考えると、アイデアはどんどん生まれてくる。で、それを実現するために、具体的に何をして、どのくらいのコストが必要になるから…と考えるようになって、この計画づくりが本当にワクワクするものに変わりました。
では具体的にどうすれば事業計画づくりに「ワクワク」できるのか、私が取り組み続けていることをご紹介したいと思います。
①利用者さまやご家族とのコミュニケーションを
「利用者さまにどうあってほしいか」を考えるために、まず今目の前にいる利用者さまのことをどれだけ知っているかが大切になります。
その方が「どんな思いを持っていて」「どんな生きづらさを感じているか」を知れば知るほど「こんなことができるのでないか」というアイデアは湧いてきます。また、ご家族が「こうあってほしい」と思う気持ちを知ることも、アイデアが生まれるリソースになります。
自分がどれだけ、利用者さまやご家族のことを理解できているかで「自分自身のワクワク」もどんどん高まっていき、良い事業計画づくりにつながっていく。
だからこそ、ぜひ事業計画を立てる前提条件として、日々利用者さまやご家族と「対話する」ことを大事にしてみてください。
②事業所で働くすべての職員と、ワクワクすることを協議する
事業計画…というと、管理者や部門の責任者が考えるものと捉えがちです。たしかに最終的に取りまとめるのは、管理者の仕事です。
とはいえ、先にもお話した通り、事業計画は「利用者さまにどうあってほしいか」をど真ん中に据えて考えるもの。利用者さまやご家族と、日々コミュニケーションを取り、支援しているのは、現場の最前線で活躍されている職員の皆さんです。
職員の皆さんは、日々利用者さまと対峙する中で、その方の思いや生きづらさを目の前で見ているので「こうあってほしい」という思いも、たくさん持たれています。その思いには管理者だから・メンバーだからといった役割の差も、正規だから・パートだからといった雇用形態の差もありません。思いをみんなで共有・協議・集約すれば、ワクワクする「事業所の方針」が見えてくるはずです。
もちろん、全員が一堂に介して話すことは難しいかもしれません。とはいえ、1対1でのコミュニケーションや、現場の方の声をリーダーが拾い、その声を管理者に届けつつ、リーダー陣と協議することもできる。
そうやって、事業所で働くすべての人を巻き込んでいくと、自ずとワクワクすることが見つかるし、事業所の方針に職員全員がワクワクする状況もつくれるようになる。
そうすれば、そのワクワクが利用者さまやご家族にも伝わり、ワクワクする事業所へとさらに進化していくのだと考えています。
最後に、今作っている事業計画は、2025年度、どういう事業所でありたいかを方向づける、とても大事なものです。職員のみなさんには、ぜひワクワクしながら企画をしていただきたいと思います。そして、利用者さま・ご家族の皆さまにも、来年度一緒にワクワクしながら事業所・法人と関わっていただけるような事業計画を届けられたらと思っています。
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