子育て地蔵法要と地蔵盆まつり

現在、毎日感染報告がニュースで報道される通り、

コロナウイルスが岡山県内でも広がっており、

県内の感染者数も、もうすぐ100名に達する勢いとなっています。


P.P.P.でも、コロナウイルス感染拡大のリスクを減らすために

いくつかの部門ではありますが、4月よりリモートワークの推進を行っております。

その関係で、私自身も在宅で仕事をしており、制作環境などの関係から

このブログの更新をストップせざるを得ない状況になっておりました。

楽しみにしてくださっていた方、大変申し訳ございません。

この度、改めて環境を整え、再スタートをさせていただきますので、

今後ともぜひ、よろしくお願いいたします。


さて、8月に入り、例年ですと、

職員の皆さんが急ピッチで準備を行っているはずの「地蔵盆まつり」ですが、

今年は、コロナウイルスの感染拡大の状況を受け、

利用者の方の安全を守るために

屋台や花火・抽選イベントなどの「お祭り」は中止とさせていただいています。


しかしながら、

地蔵盆まつりの際に必ず行っている「子育地蔵尊の法要」に関しましては、

規模は縮小するものの、利用者さまと職員だけで、例年通り実施する予定です。

本来ならお祭りも中止なので…と思うかもしれませんね。

ですが、私たちが子育地蔵尊の法要を欠かさず行っているのには、2つの理由があります。


一つは、この子育地蔵尊の法要が、

我が子が安全に過ごせるようにという「ご家族の願い」を体現したものであるから。

もう一つが、この法要が、法人を利用される方だけでなく、

この倉敷の地域で暮らす、全てのお子様の安全・無事を願う儀礼であるからです。


①法要に込められたご家族の願いを受け継ぎ続けるために

P.P.P.の前身であるひまわりの会が設立されたのは、今から40年前の1980年。

障がいのあるお子さんを持つお父さん・お母さんたちが、

立地の交渉から、建物の建築、行政への申請まで、

すべて自分たちで行い、自らの手で立ち上げたのが、この法人です。

子育て地蔵は、そのときに、我が子が安心して安全に暮らせるようにという

ご家族の想いが込めて建立したものなのです。


そして、日本の古来の風習である地蔵盆の日、

これは毎年8/23にあたるのですが、

この地蔵盆の日に設立以来40年、ずっと欠かさずに、

子育地蔵尊に我が子が無事に暮らせたことを感謝し、次の1年の無事をお祈りしてきました。


この法人は、ご家族の手で作られた、ご家族の想いの結晶です。

「どんなに時が流れても、そのご家族の想いを大切にしていく」ためにも、

法人としては、この法要を絶対に絶やすことはできないと考えているのです。


②この地蔵尊に地域に住むすべての子どもの無事を祈念するために

2つ目の理由が、この子育て地蔵の法要では

法人のご利用者さまだけでなく、

地域で暮らすすべてのお子さんの無事をお祈りしていることにあります。

最初はここまで盛大なものではありませんでしたが、

例えば、法要の際に水あめを振舞ったり、

小さいながらも屋台を並べたりして、

このまつりにみんなが参加していただけるよう、

ご家族の方や職員がいろいろな企画を考えて実行してきた歴史があります。

すべての人たちにとって、子どもたちは、未来をつくっていくかけがえのない存在です。

施設の中だけでなく、地域の人も一緒になって、

同じ時間を過ごし、一緒に地域に暮らす子供たちの無事を祈る。

法人が大事にしている考え方の一つ、

関わるすべての人の「当事者参加」を体現する行事が、この子育地蔵尊の法要なのです。

「当事者参加」を原動力とするP.P.P.としては、

この火を絶やさぬことも、とても重要なことだと、私は考えています。



子育て地蔵の法要には、ご家族の我が子を想う気持ち、

そして、地域とのつながりをつくっていこうと想いが込められています。

今年は地蔵盆まつりは中止となりますが、来年、地蔵盆まつりを行う際は

ぜひ、みなさまもこの子育て地蔵さまに手を合わせていただけると嬉しいです。

そして、私はP.P.P.の職員として、お子さんを想うご家族がいる限り、

法人を利用する方の一生涯に寄り添う存在として

この子育地蔵尊の法要を毎年続けていきたいと考えています。